冬休みの学びと遊び
我が子がまだ未就学児だったころ、育児指南書を何冊か読んだことがあります。次のようなことが書いてありました。
小学校高学年以降には勉強内容が徐々に複雑になってきます。何もかも学校で始めて習うという子どもは授業のスピードについて行けなくなることがあります。一生懸命にノートに黒板の文字を写すだけで精一杯で先生の説明もほかの子どもの質問も聞く余裕がなくなったり、面倒くさくなって上の空になったり…。でも、小さいうちから遊びの中で理科や社会の用語にふれて知っているだけでも、子どもにとっては自信につながるのです。学習カルタは遊びながら学べるからおススメです…というような内容だったと思います。
なるほど…。そういえば、小学校の先生をしている友人に聞いたところ、歴史なんて驚くようなスピードで授業をするんだそうです。鎌倉時代は1時間で終わるとか、江戸時代も2時間程度とか…。聞きなれた言葉がたくさんあって授業中に理解が速い子どもは、自然に勉強の処理速度も速くなりますよね。それで自分は結構デキルって気持ちになるのかもしれません。そういう自己肯定感があるともっと勉強したくなりますしね。
子どもの学力向上についていつも思うことがあります。幼児期や小学低学年までは十分に土壌を耕して、いろんな種をまいて良質の栄養を与えてお日様に当てておけば十分かなとイメージしています。
低学年の時までは、机に向かう勉強ってそれほど大切じゃないんですよね。学校の宿題だけで十分。家庭でドリル学習したり塾通いしたりなんてもったいないと思います。学びにつながるような遊びをたくさんしたほうが力がつくし、いい思い出もたくさんできて情緒も安定するし…。
我が家でもよくカルタをやりました。自分の子どもだけでなく、友達にも声をかけてみんなで学びながら遊んでもらいました。うちの子さえ賢くなればいいのではないんですよ。友達も同じような価値観の子が増えると楽なので、自分に余裕があるときはよそのお子さんの面倒も見ました。イマドキの子だってゲーム機なしでも遊べます。学習カルタだけで成績優秀な子に育つわけではありません。でも、少なくとも勉強なんてわからないし大嫌いと嘆くような子にはならないんじゃないかと思います。また、将来的に塾に払うお金も少なくて済みそうですしね。学習カルタは教育の先行投資ですよ。
いろはかるた
幼児から楽しめます。現代風の絵より昔の息づかいが感じられる絵のほうがいいと思います。昔の生活文化や風習がわかるので。京カルタと江戸カルタ、お好みで。
星座・宇宙カルタ
クラスに数名はいる理科好きの子どもにはたまりません。あまり興味がない子どもも学校で習う前になんとなく知っていると理科の勉強が楽になります。
歴史カルタ
幼いうちは出来事の年号を覚えたりするより、歴史上の有名人について学ぶほうが楽しいと思います。また大人がさりげなく歴史に出てくるような言葉をつかいながら、カルタ遊びを進めるとよいと思います。例えば同じ時代の学習に出てくるような言葉でも、殿様、将軍、大名、お侍、武士、お奉行様、関所、お坊さん、僧侶、公家、都、城下町、宿場町、街道、浮世絵、年貢、百姓、町民、商人…など幼い子の生活会話にはあまり出てこない言葉がたくさんあります。高学年になる前に理解語彙の量を十分に増やしておいたほうが勉強が苦になりません。
地図記号・都道府県カルタ
うちの子は低学年の時に地図や地図記号に親しんでいたので、小学3年生の時に社会科って楽しいと言うようになりました。学校で習う前に地図記号カルタや都道府県カルタでよく遊んでいたので苦労なく自然に覚えていたのです。クラスメートに「すごいね」と褒められて喜んでいました。
四字熟語・ことわざカルタ
中学受験を視野に入れているなら、受験勉強が始まる前に四字熟語やことわざをたくさん覚えておいたほうがいいと思います。受験勉強が本格化すると、ほかの勉強が忙しくて四字熟語がことわざにゆっくり時間をかけている暇はなくなりそうですし。中学受験をしない子でも教養として身につけておいたほうがいいですね。国語力アップにつながります。
百人一首(二十人一首)
私は子どもの頃、百人一首を覚えるのに苦労しましたし、難しすぎて楽しめませんでした。最近は一度に百首全部取り組むのではなく、五つに色分けされたカルタを使って二十首ずつ練習するやり方が人気です。
うちの子どもも低学年の時クラスで二十人一首を何度もしていました。例えば、「今日は青札ね」と言われたら青札を20枚並べます。1人対1人で勝負するのです。30人クラスなら1対1の勝負が15組行われることになります。先生が読んで、子どもたちがとります。20枚なんてすぐにマスターします。勉強だと思っていません。ただのゲーム感覚です。低学年の子は和歌の詳しい意味まで分かっていないけれど、スラスラと言えるようになります。古文の言葉遣いにふれておくのは良いことですね。