後伸びする子を育てよう!
幼児や小学生の頃は見える学力だけを意識していてはいけないそうです。見える学力というのは、公文など子供向けの教材の成績や通知表の成績のことです。とくに小学低学年までは簡単な読み書きや計算能力を問うような練習問題が多いのですが、そのころの成績が良いかどうかだけでは子どもの学力は測れないのだそうです。
見えないが学力というのは、幼いころには成績にあらわれていない子どもの潜在能力で、語彙力とか知識力とか理解力などだそうです。小学低学年の頃はみんな同じような成績であまり大きな差がなくても、高学年~中学生になって伸び悩む子とぐんぐん伸びていく子がいて差が開くのだそうです。
よく9歳(10歳)の壁という言葉を聞きます。学習面でこの言葉を使うときは、小学4年生ごろから徐々に学校の勉強に難しさを感じたりついていけなくなったりする子が増えてくるという意味のようです。そのころから徐々に学習内容は複雑になったり抽象的になったりするからです。見えない学力がある子はこの壁を容易に乗り越えられるそうです。見えない学力があるかどうかというのは、10歳頃までの生活の仕方や学び方次第です。10歳までにたくさん本に親しんだり、学びにつながる遊びや体験をしている子は後伸びするのだと思います。
もうすでに10歳を過ぎていて成績の伸び悩みを感じている場合は、問題集に向かうような勉強ばかりしないほうがいいかもしれません。楽しみながら知識を得たり実体験を通して記憶に定着させたりすることを増やして、基礎学力をしっかり築きなおす必要があるのではないかと思います。
学びというものは、貯金と同じで早くからコツコツ始めたほうが後の苦労が少なくて済みますが、スタートが遅くても焦らずじっくり取り組めば何とかなるんだと思います。
植物は地中に深く広く根を張ります。そうでなければ、地上で大きく広く枝や葉を広げて花を咲かせることはできません。地上に見えている部分の成長が遅くても焦らず、地下にしっかり根を張っていけるように良質の栄養を与えたいものです。
じめんのうえと しめんのした
四色のシンプルなイラストで地面の下の様子を教えてくれる絵本です。子どもの普段の生活の中で見えていない部分に目を向けさせることって実は大切なんじゃないかと思います。大人が導いてやらないとあまり興味を持ちません。視野が広がれば広がるほど、どんどん知りたがります。それが知的好奇心を育てるということです。
地面の上には、動物がいたり植物の茎や幹や葉っぱが見えています。地下には動物もいるし、植物の根もあります。根にもいろんな種類があるんですね。
大きくなったら「ひげ根・主根・側根」などを理科で習いますが、その前になんとなく知っていると授業で習うときに吸収力がちがいます。
幼児~小学生向け。
地面の下の生き物
アリの巣、セミの幼虫、ミミズ、バッタの産卵、ハタネズミなどいろんな生き物の営みがわかる絵本です。水辺や水底の生き物も描かれています。都会育ちで自然の中の虫と触れ合うチャンスが少ない子どもは必見です。虫だけでなく、魚類・両生類・爬虫類のすみかの違いなどはいずれ授業で習うことですが、自然の中の体験と本の中の知識があればすぐに習得できます。逆に言うと、授業で習うまで何も知らなかった子どもにとっては、生物学の勉強は暗記モノの連続で苦痛になる場合もあるのです。
小学生向け。
土をつくる生きものたち
雑木林にはたくさんの植物と枯葉があって小さな生物がすみかにしています。葉っぱや腐葉土や朽ちた木を小さな虫たちが食べて糞を出す。糞はやがて超えた土となり、その栄養で植物がさらに育つ。当たり前だけれど神秘的な自然の中の循環。美しい絵で味わえるのは楽しいです。図鑑のリアルな写真が苦手な子も、絵本に描かれた虫はこわくないかもしれません。小学生向け。
地下鉄のできるまで
私の子どもが大好きだった絵本です。かこさとしさんの知識本は素晴らしいです。私なんかは機械の仕組みだとか作業車の役割だとか工事のやり方なんて全く知識がなく何一つ子どもの疑問に答えてやれなかったのです。しかし、この本のおかげでうちの子の知的欲求は満たされていたと思います。わたしより子どものほうが先によく理解して私に説明してくれました。シールド工法とか開削工法とか凍結工法とか沈埋工法とか…いろんな技術の粋を集めて地下鉄をつくっているんですね。人類の文明って偉大です。
幼児~小学生向け。大人の鑑賞にも堪える名作絵本。