名作で読む日本の昔話
日本の昔話の絵本はたくさんの出版社から出ていますが、学校の図書室や公立の図書館などに置かれているような名作を選ぶのがおススメです。イマドキの漫画やアニメなどとは絵も言葉も違って、少々古臭いような感じがするかもしれませんね。少々古臭く感じるような名作絵本は多くを語ってはくれません。厳選された言葉、詳細まで描きすぎない絵…。余白が多くあったり余韻を残したり…。しかし、それが想像力を無限に広げてくれるのです。子どもはそれぞれの心で広く深く味わうことができます。
テレビやネットの動画などは分かりやすさ、鮮やかさ、スピード感などが重要視される傾向にあるのかもしれません。そういう文化の良さもあるのですが、幼い子どもには刺激が強すぎるような気もします、味付けの濃い料理のように。濃厚で刺激的な味にすっかり慣らされてしまうまえに、繊細で奥が深い薄味も楽しんでおいたほうがいいんじゃないかなと個人的には思っています。
もちろん大きくなったら、こってりした味も楽しめばいいんですけれどね。
ももたろう
1965年初版で今でも読まれているロングセラーです。赤羽末吉さんの絵が味わい深いです。日本の昔話の代表作の一つですね。ぜひ名作絵本で楽しんでください。
主にひらがな表記ですが、「一つ」「一わ」など漢数字が使われています。読み聞かせは6分程度。幼児~小学生向け。
いっすんぼうし
初版1965年のロングセラー。庶民のおじいさん、おばあさんの様子、お金持ちの(平安貴族のような)お姫様やお屋敷など、昔の様子が美しく描かれています。幼いころから昔話に触れておくと、小学生になるころには昔の時代の文化や歴史にも興味をもつようになるかもしれません。
主にひらがな表記ですが、漢数字が使われています。読み聞かせは7分程度。幼児~小学生向け。
かちかちやま
うらしまたろう
かにむかし
猿蟹合戦という名前のほうが馴染みがあるかもしれません。意地悪な猿に蟹が仕返しをするお話。土間、いろり、かもい、いしうす、きび、蟹の甲羅、あだうち…など幼い子の日常生活ではあまり使わないような言葉にふれることができます。
漢字にはふり仮名がふってあります。読み聞かせは6~8分程度。幼児~小学生向け。