帰りたくなるおうち
外から帰ってくるとホッとする、そんな家って素敵ですね。幼いころは怒っていても泣いていても可愛かった子どもも、あっという間に親よりも背が高くなり生意気盛りになり、手ごわくなります。子どもは友達関係や勉強や部活などで悩みを抱えたり疲れを感じたりしているんでしょう。
思春期の子どもも帰りたくなるような家を整えておきたいなと思います。ついつい口うるさく言いたくなる時もあるけれど、グッとこらえて子どもの成長を待つことが大事なんだと自分に言い聞かせています。子どもは家に居場所があると救われると思います。一緒にいたくない家族、帰りたくない家だとやはり良からぬ道に引き寄せられる可能性も出てきます。あるいは自分の小さな部屋に長期間閉じこもってしまっても心配ですね。
子どもが思春期の頃までは家族と一緒に過ごす家が心地よい場所だったらいいなと思います。ただ、思春期は「さなぎ」の時期だと聞いたことがあります。羽化して自分で羽ばたく前の大切な時です。周りがとやかく言って焦っても仕方ないのかもしれません。思春期の子供たちは親にも本心を明かさず何を考えているのか、あるいは何も考えていないのか心配になりますが、彼らの内側では周りからは見えない大きな変化を経験しているのでしょう。言葉にできないくらい激しい変化をしているからこそ、大切なことをしゃべってくれなくなるのかもしれません。
あなたのいえ わたしのいえ
建物としてのいえ、生活する道具がそろった家、家族が安心して暮らせる家…
「いえ」って何かということを幼児にもわかる言葉と絵でやさしく説明してくれています。加古里子(かこさとし)さんは物語だけでなく知識本も素晴らしいですね。
全てひらがな表記。読み聞かせは3~4分程度。幼児~小学生向け。
ちいさいおうち
バージニア・リー・バートンさんの名作で、石井桃子さん翻訳。日本での初版は1954年で今もなお愛されています。田舎の静かなところにぽつりと建つ一軒のちいさいおうち。のどかな日々を過ごしていました。季節が何度もめぐり、時が流れ、ちいさいおうちの周りがどんどん開発されていきます。やがて、道路や家やビルや駅がどんどん建設されて…。街が発展して慌ただしくなるほど、ちいさいおうちは寂しくなって…。
うちの子も3歳くらいの時に一番のお気に入りの本だったと思います。幼い心にもこの本の良さは分かりますが、大きくなってから読んでもまた違った味わいが感じられるかもしれません。すべてひらがな表記。読み聞かせは8~10分程度。幼児~小学生向け。
ちいさいおうち改版 (岩波の子どもの本) [ ヴァージニア・リー・バートン ]
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↓英語版↓
つみきのいえ
水に深く沈んでゆく町に、上へ上へと積み木のように積み上げられた家。一人暮らしのおじいさんは、深く深く記憶をたどってゆきます。子どもたちの思い出、おばあさんとの思い出…。充実した人生の思い出が年老いたおじいさんを支えているのかもしれません。漢字なしでひらがなとカタカナの表記。読み聞かせは6分程度。小学生向け。大人の鑑賞にも堪える作品です。
↓英語版↓
わたしのいえ
豪華な宮殿だったり、都会の集合住宅だったり、薄暗い地下の穴蔵だったり…いろんな個性的な家が出てきます。住む人がいれば、それが家…。
ゆっくりと眺めたくなる絵本。漢字にはふりがながふってああります。
幼時~小学生向け。
大きな木がほしい
初版1971年ですから、親世代にも懐かしい絵本かもしれません。ファンタジー作家の佐藤さとるさんのお話と村上勉さんの温かい絵。子どもなら誰でも憧れる特別な場所、ツリーハウス。木の上の小さな小屋で子どもだけの自由な時を過ごしたくなるんです。
小学低学年向け。漢字にはふりがながふってあります。
おおきなきがほしい /偕成社/佐藤暁
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百年の家
1900年~1999年の100年間、ある家に住む家族のささやかな幸せや深い悲しみと時代の流れが描かれています。二度の世界大戦、子どもの誕生、成長、巣立ち、親の死…。ゆっくりじっくりと見たくなる絵本です。小学高学年以上向け。
百年の家 (講談社の翻訳絵本) [ J.パトリック・ルイス ]
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絶版かもしれないけどとても良い作品。古本を見つけたらラッキーですよ。
「ぼくの家ができる たてるじゅんじょ・つかうどうぐ」
嘉来國夫 文・ 樺山祐和 絵 福音館書店
大工さんが様々な道具を使いこなして、一軒家を作る様子を詳しく描いています。
幼児~小学生向け。
「ぼくんち ひっこし」
山本省三 文・ 鈴木まもる 絵 金の星社
集合住宅から一軒家へ引っ越すお話。
大荷物をトラックで運ぶ様子など見ごたえあり。
幼児~小学生向け。