主食絵本って何ですか?
「できるだけ良質の主食絵本を選びましょう!」
我が子がまだ赤ちゃんだったころ、近所で行われた育児イベントに参加したことがありました。そこで図書館司書さんだったか、読み聞かせボランティアさんだったかが、新米ママさんたちに力説されていたんです。
絵本にはたくさんの種類がありますが、子どもの心に響く本物の良い絵本と、軽く楽しむ程度の絵本があるのだそうです。本物の良質の絵本というのを「主食の絵本」と呼び、軽く楽しむ程度の絵本を「おやつの絵本」と呼んでいるのだそうです。つまり栄養価が全然違うということなのでしょう。
毎日子どもに食べさせる食事は、栄養価が高くバランスの良いものを与えたいと思う親御さんが多いでしょう。そして、間食には栄養価よりも手軽さや楽しさを優先させて簡単なおやつを与えることもありますよね。
食事だけでなく、絵本の読み聞かせにも良質の栄養を与えるという考え方が大切だということです。毎日の読み聞かせはできるだけ良質で子どもの心や頭に良い栄養となるような絵本をバランス良く選ぶ必要があるということです。栄養価よりも楽しさや手軽さを優先させて、人気アニメキャラクターの絵本などを選ぶこともありますが、このような絵本はおやつの絵本と呼ばれるのだそうです。おやつの絵本はあくまでも主食絵本に補助的に添えるものと考えたほうが良さそうです。
では、どんな絵本が主食の絵本と言えるのでしょうか?
主食の絵本(良質の絵本)選びのポイント
・初版が古く、何度も再版されて成人式を迎えた(20年以上読まれている)絵本。
・学校の図書室や公立の図書館でよく選ばれている定番絵本。
・絵本の出版で信頼できる出版社の絵本。
・定評のある絵本作家さんの絵本
……このうちの少なくとも一つ以上を満たしている絵本をおススメします。
絵本の栄養をたくさん与えよう
1.図書館でたくさん借りる
2.先輩ママからお下がりをいただく
3.古本屋さんで購入
4.新品を購入(お気に入りの絵本作家さんを応援するためにも購入しましよう)
絵本や児童書は惜しまずに買うという方針のお宅もあるそうです。お家の中に本がたくさんあっていつでも手に取れるというのは素晴らしいと思います。子どもにそのような価値観を示すことができるって素敵です。小さい子どもに与えるものの優先順位としてゲーム機やDVDやスマホよりも良質の絵本や児童書が上位にあるほうがいいんじゃないかと私は考えています。もちろん、大きくなればゲーム機やスマホや動画も楽しめばいいんですけれどもね。
絵本を集めるのは決して安くないのですが、家計をやりくりしてできるだけ多くの良書をバランスよく読んであげたいものです。
読み聞かせのコツ
1.毎日読み聞かせることを習慣に。
2.好きな本を中心に、バランスよくいろんな本を。嫌がったら強要しない。
3.元気に動き回って、体が疲れた後で。
4.読み聞かせに慣れるまでは、動画をあまり見せない。
5.赤ちゃん期は1日に数分、就学前には30分以上おはなしが聞ける子になることを目標に。
6.効果を過剰に期待せずに、親子で共有する時間を楽しむ。
おススメの定番絵本
こどものとも
福音館書店の人気絵本「こどものとも」は月刊の絵本で「0・1・2」「年少版」「年中向き」「年長向き」があります。毎月新作が読めるように定期購読をしてみるのもいいのですが、私は「こどものとも」の中でも特に人気があったものがハードカバーで再版されている傑作集をおススメします。また復刻版もいいと思います。いろんなタイプの絵本があって楽しいです。プレゼントにも喜ばれると思います。幼児向け。
みんなが知っている「ぐりとぐら」シリーズ。親子二代で楽しんでいる人も多いはず。中川李枝子さん・大村百合子さん姉妹の傑作です。幼児~小学低学年向け。
五味太郎さんの絵本。幼児だけでなく大人が見ても楽しめる絵本が多いですね。遊び心があります。とぼけた表情と意外な展開。みんな大好きですよね。
もし子どもが自分で読書をするようになったらラッキーですね。自分で読書するようになっても、自分では読まないタイプの絵本を親が選んで読み聞かせるといいでしょう。また自分で読めるものよりもワンランク上の難しい本を親が読んであげることもできます。
自分で本を読まない子でも焦る必要はないと思います。親子のコミュニケーションタイムだと思って何年でも読み聞かせを楽しめばいいと思います。うちは小学5生まで読み聞かせをしました。絵本~幼年童話~児童書~小説など、何千冊も読んでいるんじゃないかなと思います。楽しかったですよ。いまのところ優しい子に育っていると思います。いわゆる学業成績は優秀とは言えないけれど、頭の回転が速く知識(雑学)が豊かです(笑)!