最小限の色使い!無限の表現力!
子どもの期末試験も終わりホッとしています。何かとイライラするお年頃のようですが、特に定期試験中は怖い顔をしてる時もあります。
最近、私は子どもの本棚から絵本を引っぱり出してきてリビングルームに何冊かおいています。このブログを書くために読み直したりしているのです。先日私が家事をしている間に子どもも、私がリビングルームに置いていた絵本を読んでとても嬉しそうな顔をしていました。「なつかしいー。この本はお気に入りやったなぁ。このページがいいねん。あー。このセリフが好きやなぁ!」とか言いながら。幼児の頃って甘えん坊で、私の膝の上にちょこんと座って、何冊でも静かに絵本の話を聞いていたものです。当時は仕事と家事と育児でぐったり疲れていていつも睡眠不足でしたが、眠気をこらえながら読み聞かせをしていました。
今は私よりも背も高くなり態度もすっかりデカくなった我が子が、懐かしい絵本を読んでいるときは本当に優しい顔をしてるんですよ。あの頃の温かい時間をちゃんと子どもは覚えていてくれてるんですね。うれしいなぁと思います。
優秀な母親ではなかったので、私が体調不良の日なんて録画しておいたテレビアニメを散々見せてごまかしたりもしましたけれどね(汗)。あの頃のお気に入りのアニメや子ども映画ってほとんど覚えていないのに、絵本はたくさん覚えているらしいのです。名作絵本の力ってすごいなぁと思います。また、親の膝の上で甘えながら、親の声を聴いていたことも子どもにとっては大切なことだったのかもしれません。
さて、子どもって派手なストーリーとカラフルな絵が好きなのかと思いきや、そうとも限らないんです。一見するとかなり地味に見えるような絵本でも、子どもの心をひきつけることってあるんですね。しかも、すっかり大きくなった今でもちゃんと覚えているんです。
どこへいってた?
マーガレット・ワイズ・ブラウンさんの言葉とバーバラ・クーニーさんの絵。優しく語りかけてくれる絵本。黒・白・赤の3色しか使われていないのに、野原の色も海の色も動物たちの色もちゃんと鮮やかに見えてくるような気がするんですよね。余計な色も説明もそぎ落としているのに、ちっとも退屈させないのです。むしろどんどん想像力を広げてくれるんですね。赤ちゃん~幼児向けの絵本。
ピエールとライオン
モーリス・センダックさんの絵本。中の絵は黒・白・黄色・緑の四色だけで描かれているんですが、登場人物や動物の表情が豊かで、世界に引き込まれます。お父さんとおかあさんを困らせてばかりのピエールはとうとうライオンに食べられて…。
幼児向けの絵本。
もりのなか またもりへ
マリー・ホール・エッツさんの名作絵本。「ぼく」が森の中で動物たちに次々と出会い散歩や遊びを楽しむお話です。
白と黒の濃淡だけで描かれています。我が子がまだ幼いころに何度も読んであげました。本当に驚きました。色鮮やかでもなく、華やかでもないこの静かな絵本が子どもの心をしっかりとつかむことに…。薄味の家庭料理のようなほっこりとやさしい味わい。
読み聞かせは2歳頃から。
100まんびきのねこ
とても年をとったおじいさんとおばあさんは寂しい生活をしていました。そこで、おじいさんは猫を拾ってきて飼おうと考えるのですが…。
中の絵は白と黒の2色だけで描かれています。おじいさんとおばあさんと猫しか出てこないのですが、子どもを退屈させません。たくさんの美しい猫より、たった一匹のみすぼらしい猫に癒されてささやかな幸せを感じる老夫婦の様子。幼い子どもなりに、この本の良さがわかるようです。幼児向け。
名馬キャリコ
バージニア・リー・バートンさんの絵本なのですが、絵はコミックのようで面白いです。動きや表情が豊かに描かれています。なんだか私は手塚治虫さんの漫画(リボンの騎士とか)を思い出します。開拓時代のアメリカ西部を思わせるような、馬やカウボーイのお話です。黒と白の2色だけで描かれていますが迫力があって、スパイシーな味わいの絵本です。幼児~小学生向け。