独特な世界観を持つ外国絵本を楽しもう
日本の絵本も素晴らしいのですが、外国人作家さんの絵本も日本の絵本にはない個性があります。絵がお洒落だったり、ストーリーに意外性があったり…。絵本の世界は広く深いのです。多彩です。
多くの素晴らしい絵本に出会うと、子どものためにと思って始めたはずの読み聞かせなのに、オトナも絵本の魅力にひきつけられてしまうかもしれません。絵本を収集したくなってしまう人も結構いるのではないでしょうか?子どもが成長しても、絵本コレクションが手放せなくなったりして…。
我が家はスペースの関係上、そして引越しの時に荷物を減らす必要があったために、泣く泣く手放した絵本もあります。小さいお子さんのいる友人に引き取ってもらったのです。絵本を大切にしてくれそうな友達に声をかけました。また小学校の学級文庫にも寄付しました。
お嫁に出すような気持ちで数々の絵本を送り出しました。絵本だけでなく幼年童話も児童書もいくつかは手放しました。
それでもやはり処分できずに結構な数の絵本がまだ我が家に残っています。絵本も愛おしいし、絵本を親子で楽しんだ思い出も愛おしいのです。
断捨離ができない母です。
ステキな外国絵本
まっくろネリノ
作者のヘルガ・ガルーラさんはオーストリア生まれで、イタリアやアメリカでも活躍したデザイナー。「なっくろネリノ」は1968年に描かれた絵本で、オーストリアの子どもの本の最優秀賞にも選ばれています。
兄弟の中で1人だけまっくろなネリノ。色鮮やかな兄弟たちは美しさ故さらわれてしまうのですが、真っ黒なネリノが夜に助け出しに行きます。
シンプルなストーリーですが、絵がかわいらしく色合いも綺麗でリビングに飾っておきたくなるような絵本です。
読み聞かせ数分。幼児向け。
ラチとらいおん
ハンガリーのブダペスト生まれで、国立人形劇場のスタッフとして働いた後、絵本作家になったマレーク・ベロニカさんの作品。シンプルなイラストのような絵が愛らしくおしゃれです。
世界中で一番の弱虫のラチは、ある日現れた小さな赤いライオンのおかげで、どんどん自信をつけて…。
読み聞かせ数分。幼児向け。
てん
カナダ・トロント生まれで、子ども向けコンピューターソフトなどを販売する会社の副社長を務めた後、独立してアニメーションの会社を起こしているピーター・レイノルズさんの作品。日本語翻訳は谷川俊太郎さんです。
漫画のような単純で生き生きとした絵がとても可愛らしいです。また、個性を持つこと、人と違う表現方法に自信を持つことを教えてくれるストーリーも素敵です。
絵が描けなくて白紙とにらめっこするワシテが描いたものは…?
読み聞かせ数分程度。幼児~小学生向け。
ティッチ
英国ヨークシャー生まれの絵本作家パット・ハッチンス さん。
リズムの良い繰り返しでハッピーエンド。描かれる子どもたちが表情豊かで可愛らしいです。日本語翻訳は石井桃子さん。
大きいお兄さんやお姉さんの後をついていくティッチ。自分だけ幼くていつも寂しくつまらない気持ちがあるのですが…。
読み聞かせ数分。赤ちゃん~幼児向け。
あくたれラルフ
文を担当しているジャック・ガントスさんはアメリカのペンシルバニア州生まれで子どもの頃に何度も引越しをし、ボストンのエマーソン大学で創作と文学を学んでいます。絵を担当したニコール・ルベールさんとは在学中に出会い、一緒に絵本の創作を始めています。何度も話を書き直し、何度も絵を描きなおし完成した「あくたれラルフ」。
センスの良いイキイキとした絵とおもしろいストーリーにひきこまれます。
ネコのラルフはいたずら好きでいつも家族を困らせてしまいます。手に負えなくなってとうとう家族はラルフをサーカス団のテントに置き去りにするのですが…。
日本図書館協会選定、全国学校図書館協議会選定。
読み聞かせ6分程度。幼児~小学低学年向け。