プレ思春期にぴったりの冒険物語
幼いころは親の目の届く範囲で遊んでいた子どもですが、親の手を離れ大人の目の届かぬ所へ飛び出していきたくなる頃がきます。大人に話したくない自分の世界を持ちたがります。親よりも友達との関係が楽しくなります。
親にとっては寂しく感じることもありますが、同時に頼もしく思えることでもあります。プレ思春期の子どもなんて経験値としては足りないから、大人から見れば危なっかしくて心配です。でも、どんどん親の手を離れてチャレンジしてほしいと思います。もし失敗して挫折感を味わいながら親のもとへと帰ってきても、その年ごろの子ならまだ親がサポートしてやれます。子どもがもっと大きくなってから初めて荒波に揉まれているようでは、遅すぎます。高校生や大学生になってからでは、親はあまりサポートしてやれません。
だから、まだあどけなさが残り危なっかしい小学高学年くらいには、親が手伝ったり先回りしたりせずにトライ・アンド・エラーをどんどん経験させればいいんだと思います。子どもから相談があったときや、元気がないときは親がサポートしてやればいいけれど、普段はできるだけ自分で考えて行動させたらいいんだと思います。
本格的な思春期が始まる前に、スポーツでも芸術活動でも中学受験でもなんでもいいから真剣に取り組むことはとてもいいことだと思います。小学生のうちから練習三昧や勉強ばかりってかわいそうという意見もありますが、親の押し付けでなく子どもが選んだ道なら決してかわいそうではありません。
ピアノに自分の時間をささげる子、サッカーに夢中になっている子、志望校に向かって受験勉強に邁進している子、本の虫になってる子、魚の研究にあけくれている子…みんないい顔をしています。大人が驚くような集中力を見せるときがあります。
あるいは友達同士で本音の付き合いをさせるのもいいと思います。人間関係の大変さも素晴らしさもどっぷり経験させたらいいのです。
本格的な思春期が始まる前に、冒険物語を読んでみるのもいいものです。自分が何者なのか、何に熱く燃えたいのか、子どもなりにアイデンティティーを意識するきっかけになるかもしれません。
もちろん、「この本を読め」と大人が子どもに強要するのは好ましくないので、あくまでも子どもが興味を持ったら読めるように本棚に入れておいてやる…程度がちょうどいいのかなと思いますが。子どもが嫌がらないなら、親が読み聞かせてやってもいいのです。
うちの子も小学高学年の時に読んだおすすめの本ばかりです。
冒険者たち ガンバと15ひきの仲間
台所の床下の貯蔵穴に住んでいるドブネズミのガンバ。食料は豊富にあるし、危険もなく平穏に暮らしていましたが、何かが足りないような気持ちがしていました。そんなとき仲間のドブネズミから海への冒険の旅に誘われます。町ネズミや船乗りネズミたちと仲間になって、イタチと戦う島ネズミを助けに夢見が島へ渡るのですが…。
個性の強いネズミたちは知恵と力の限り奮闘します。感動の物語。うちの子の大好きな本です。
小学高学年向け。
クローディアの秘密
エーミールと探偵たち
二分間の冒険
十五少年漂流記・二年間の冒険