親も学ぼう
子どもに勉強させることは大切ですが、親も学びは大切です。大人になると自分から学びの時間を作らないといけないような気がします。生涯学習の時代です。
子どもを育てるにあたって、子どもに育ててもらうことも大切ですが、自分自身を親として成長させるために教育指南書も読んでみたいものです。
立派な方々の教育に関する考えを知ったうえで、我が家流の子育てを考えればいいのではないかと思います。我が子に対しては教育の方法を絶えずカスタマイズしていかなければなりません。家庭によっても、子どもによっても違います。我が子をよく観察してよく話し合って、その時の条件の中で最善を尽くすしかありません。
名門の学校に我が子を入れるお金はないとか、素敵な塾が近くにないとか、先生に恵まれないとか、周りの環境が悪いとか、時代が悪いとか、うちの子にはヤル気スイッチがないとか、忙しくて子どもにかまっていられないとか…言い出すとたくさん不平や不満も出てきそうです。話のネタとしてはおもしろいですからママ友やパパ友との会話で盛り上がるのですが、不平や不満を言いっ放しでは良くありません。
我が子のために何がいいのか考えて、ちょっとでも現状を良くしていこうと思って、できる範囲でやっていくしかありません。
また我が子さえよければいいという考えも避けたいものです。学校や地域の子どものために、無理のない範囲でPTAやボランティアやちょっとした手助けなどをやりたいものです。我が子にそういう親の姿を見せましょう。
子育て・教育のヒントになる指南書
教育者、保護者、医師、数学者…様々な方々が教育について意見を述べられています。また、いろんな指導を実践されています。何もかも信じて真似する必要もないですけれど、意外と核になる部分、肝の部分には共通点があるような気がします。
明橋大二さん 子育てハッピーアドバイス
忙しいお母さんも育児のすきま時間にさっと読める漫画です。精神科医であり「子育て支援」を強く提唱するスクールカウンセラーとしても有名な先生。「子育てハッピーアドバイス」はシリーズ累計200万部をこえるベストセラーだそうです。
疲れた親のこころを軽くしてくれる温かい漫画ですが、内容は実践的で奥が深いと思います。
子育てハッピ-アドバイス大好き!が伝わるほめ方・叱り方 /1万年堂出版/明橋大二
10代からの子育てハッピ-アドバイス /1万年堂出版/明橋大二
忙しいパパのための子育てハッピ-アドバイス /1万年堂出版/明橋大二
親野智可等さん 「楽勉」で子どもは伸びる!
公立小学校教諭を23年間されたのち、現在は教育評論家として活躍されている親野智可等さん。学校の勉強の吸収が速い子と遅い子の違いはなんなのか?家庭でできる学習方法「楽勉」の具体的なやり方などを教えてくれます。
陰山英男さん 学力は家庭で伸びる
100マス計算や素読で有名な陰山先生ですが、「早寝・早起き・(和食の)朝ごはん」をはじめ、小学校と家庭が協力しあって子どもを育てようとした取り組みが綴られています。普通の公立小学校で子どもたちの基礎学力をぐっと上げて実績を出していらっしゃいます。
高濱正伸さん わが子を「メシが食える大人」に育てる
花まる学習会代表の高橋正伸先生は三浪四流・大学院卒で31歳まで学生だったという方です。ただ勉強ができるだけの子や有名校の入試を突破する子というのではなく、自分の頭で考え、いきいきと生命力に溢れ、人から好かれる魅力的な人間に育てるということを重要視されています。
宮本哲也さん 強育論
宮本算数塾の宮本先生。子どもたちに教えることよりも、自分の頭で徹底的に考えさせるスタイルの算数塾。入塾試験なしで先着順の申し込みにも関わらず、難関私立中学へたくさんの子どもを進学させたことや強育パズルなどが有名です。強育論はお若いころに書かれたものなのか、親に媚びない尖った感じの内容です。算数・数学をこよなく愛する方で、アメリカのマンハッタンでも数学塾をされていました。
江藤宏さん 東大・京大に合格する子の育て方
詰め込み暗記式ではなく、思考教育に特化した灘学習院という塾を開校した先生。数学だけでなく英語や社会でもただ暗記するのではなく思考することによって理解が深まるということが述べられています。
工藤勇一さん 学校の「当たり前」をやめた。
民間出身の先生かと思いきや、公立中学校教員と教育委員会職員をされてきた公教育一筋の工藤先生の画期的な改革や教育方針の転換についてつづられています。千代田区麹町中学という校区の良い学校ならではの成功例かと思いきや、不良の多い荒れた学校でも改革を成功させているという実力派です。生徒ファーストを徹底し、先生の業務の無駄を大幅にカットし、目的が何かを明確にする姿が素晴らしいです。
新井紀子 AI vs. 教科書が読めない子どもたち
日本の数学者。 国立情報学研究所社会共有知研究センター長・教授、一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。
AIに奪われる仕事が増えると予想される世の中ですが、AIの進歩よりももっと怖いのは子どもの学力低下や読解力の低下ではないかと、この本を読めば危機感をもってしまいます。教育の指南書というよりは、研究報告と著者の意見が綴られている本です。日本の子どもたちの学力の現状について警鐘を鳴らす本だと思います。
中島克治さん 小学生のための読解力をつける魔法の本棚
麻布学園中学・高校の国語教諭。名門校の先生のおすすめの絵本・児童書や読解力を鍛える方法、家庭でもできる取り組みなどがわかる本です。
↓ほかにもあります ↓
橋本武さん 奇跡の教室 エチ先生と「銀の匙」の子どもたち
公立の学校よりランク下に見られていた灘中学を東大合格者を数多く出す名門校にした先生の一人、国語教諭の橋本武さんについて書かれた本。一般的な国語の教科書を使わず、中勘助の『銀の匙』を中学3年間かけてゆっくりじっくりと1冊読み上げるスローリーディングの授業で有名。どのように知識・教養を深めていくのか、本物の学力とは何なのかと考えさせられる本です。
尾崎八郎さん 世の光、地の塩
関西学院の社会科教諭、中学部・高等部部長を経て、啓明学院理事長をされ、各種改革に尽力し、定員割れしていた啓明学院を人気校に引き上げた尾崎八郎先生について書かれた本。尾崎先生は2007年(平成19年)11月 西宮市民文化賞、2008年(平成20年)11月 私立中学校高等学校教育振興功労者表彰(文部科学大臣表彰)、2010年(平成22年) 5月 兵庫県功労者表彰(教育功労)、2015年(平成27年)11月 旭日小綬章など教育における功績が高く評価されています。
子どもの頃から大人になるまでの成長の姿、そして関西学院の教師として奮闘された姿が描かれています。生徒たちと本気で向き合った熱い教師というだけでなく、学校運営でも凄腕を発揮されたことなど興味深いです。