節分とは
節分とは雑節の一つで季節を分けるという意味があり、本来、立春・立夏・立秋・立冬の前日を表していましたが、今では立春の前日のみを言うようになりました。
旧暦では立春に近い新月の日が1月1日だったので、立春とお正月はほぼ重なっていたそうです。立春の前の節分は新年を迎える前の大晦日に相当する大切な日だったのです。
昔は季節の変わり目には邪気(鬼)が出ると考えられていました。節分の夜に大豆を炒り、升に入れて神棚に供えたあと、「鬼は外、福は内」と唱えながら、家長が家の出入り口や部屋に撒いて鬼を追いはらいました。
豆を炒るのは「鬼の目を射る」という意味もあります。また、豆まき後に拾い忘れた豆から芽が出るのは良くないとされているため、必ず大豆を炒っておきます。
そして、家族そろって歳(数え年)の数だけ豆を食べて一年の健康と平和を祈りました。
関西地方では恵方巻を食べる風習があります。恵方巻とは七福神にちなんで7種類の具材を巻き込んだ太巻きです。包丁で切らずに長いままの太巻きを一人一本いただきます。
歳神様がいらっしゃる方角(恵方)を向いて、無言で食べます。
ちなみに2020年の恵方は西南西です。
鬼は鰯の生臭い匂いと柊(ひいらぎ)の葉のトゲが苦手とされています。それで、鰯を焼いていただいた後、鰯の頭と柊の葉を一緒に玄関先に取り付けて邪気を祓う風習もあります。
家族で節分を楽しもう
節分って平日なので、ゆっくりと行事を楽しむ時間がない年もあります。そんなときは、日を週末にずらしたり、内容を簡略化したりしながら、我が家なりのやり方で節分行事を楽しんでいます。
我が家は酢飯を作るとき、黒酢と黒糖を使うので、お米の色が少し茶色っぽくなってしまいます。その年の気分で恵方巻を作ることもあれば、手巻き寿司を作ることもあります。お刺身を買ってきて海鮮巻にするのが我が子のお気に入りです。最近は魚介類もすっかり高くなってきて我が家にとってはやりくりが大変ですけれども…。
もちろん市販の恵方巻を買ってきてすませたときもあります。
そして、豆を食べたり焼いた鰯を食べたりして、節分行事を楽しんでいます。子どもが幼いころには豆まきもしました。鰯の頭を玄関先に飾るのは、やりたいけどやりません。近所迷惑になりそうな気がして…。
忙しい現代人ですが、できる範囲で和の行事を日常に取り入れたいものですね。我が家流でいいんです。
ぜひお子さんの写真を残してあげてくださいね。笑顔の写真だけでなく、鬼を見て泣いている幼いころの写真もいいもんですよ。一生懸命に恵方巻を作っている姿とか…。節目を大切にしながら家族が精一杯生きてきた姿を写真に残しておくと、その思い出写真が子どもにとって思春期や青年期の心の糧になると思います。