お節料理を食べよう
家族で好きなものを食べてお正月を楽しく過ごせたらそれだけで幸せですけれど、子どもの教養を高めるために、たまには伝統的な日本のお節料理を準備するのもいいのではないでしょうか?すべてを手作りするのは大変ですから、いくつかのお料理は買ったり、簡単なものだけ作ったり…。できる範囲で子どもにお正月のお料理を体験させてあげたいですね。そして料理に込められた意味を伝えてあげたいものですね。
お節料理
もとは季節の変わり目の節句に神様にお供えした料理。今は年神様へのお供え料理であり、家内安全や五穀豊穣を願う縁起料理。
紅白…紅は魔除けを表し、白は神聖さを表す。紅白は慶びを表す。紅白なますや紅白蒲鉾など。
根菜…地にしっかり根を張る意味。煮しめ、たたきごぼうなど。
蓮根…穴があってよく見えることから、将来の見通しが明るいように。酢蓮根、煮しめなど。
蒲鉾…半円形が日の出を表す。
数の子…子孫繁栄を祈る。
田作り…イワシはかつて畑の肥料として使われていたことから、豊作祈願。
黒豆…まめに(元気に勤勉に)暮らせるようにという願い。
昆布巻き…よろこぶの昆布。
栗きんとん…「勝ち栗」と言われる縁起物。黄金色は財宝を表す。
伊達巻…昔の伊達者たちの着物に似ていることから名前がついた。巻き物は昔の書物の形を表し、学業成就を願う。
くわい…芽が出るように。
ぶり…出世魚のように立身出世を願う。
鯛…めでたい。
海老…腰や背中が曲がっても元気なことから長寿祈願。
サツマイモと栗のきんとん
小さなお子さんでも作れます。お子さんと簡単調理を楽しんでください。
スイートポテト作るより楽です。
外国の方と一緒にポットラック・パーティーをするときに持っていくと喜ばれます。
可愛いアルミカップなどに一つずつ入れて並べると見た目もいいし、持ち運びも簡単だし。
材料
サツマイモ、市販の栗の甘露煮 クチナシの実(きれいな色に仕上げたいとき)
作り方
1、サツマイモを輪切りにして茹でる。
鮮やかな黄色にしたければ、クチナシの実も入れて発色をよくする。
2、サツマイモに火が通ったらお湯から取り出して、皮をむきマッシュする。
3、市販の栗の甘露煮のシロップをお好みの量だけ混ぜる。
4、よく混ぜてから、一口サイズ取り出して、ラップで茶巾絞りする。
5、上に栗の甘露煮をのせる。
お正月の風習 -子どもに伝える前に確認しておこうー
お屠蘇
中国から伝わった漢方薬(屠蘇散)をお酒やみりんに浸してつくる薬膳酒。邪気を祓い家族の息災延命を願います。屠蘇散は薬局などで購入できるようです。年少者から飲むならわしがあります。
年神様(歳神様)
正月様・歳徳様とも言います。農作物、特に五穀(米・麦・粟・稗または黍、豆)の実りをもたらす農耕の神様。また子孫繁栄や家内安全を見守る先祖の神様でもあります。
門松・しめ飾り
年神様の依り代(神様がよりつくもの)と考えられています。それで神様が迷わずやってくるように玄関に飾ります。
門松には「神待つ木」として門口の前に飾られます。常緑の松、まっすぐに伸びる竹、新春に咲く梅が縁起物として使われます。
しめ飾りには、古い年の不浄をはらうと言われる新しい藁を使います。久しく栄えるという縁起物のウラジロや橙、子孫繁栄の縁起物ゆずり葉を飾ります。
29日は「二重苦」を連想させるし、晦日や大晦日では正月直前のにわか作りで神様に失礼だとされているため、正月飾りは12月28日頃までに飾るのが良いとされています。
鏡餅
年神様へのお供え物として飾ります。望月のような丸い餅です。丸い形は家族円満を表すとも言われています。鏡餅を三方に乗せ、縁起物のウラジロやゆずり葉や橙とともに飾ります。年神様がいらっしゃる松の内は飾っておき、そのあとで鏡開きしていただきます。鏡とは神が宿るところという意味があるそうです。刃物で「切る」のは武家では切腹を連想させるため縁起が悪いし、木槌でたたいて「割る」という表現も縁起が悪いので、「開く」という表現をつかうとか。神様にお供えしたものを下げて、料理して美味しくいただき無病息災を祈ります。
橙(だいだい)
しめ飾りや鏡餅に飾られる柑橘の果物。家系が代々続くことを願います。
ウラジロ
シダ植物のウラジロは古い葉と新しい葉が次第に伸びてくることから、久しく栄えるという縁起物。
三方
尊い方に礼儀正しく物を差し上げるときに使う台。鏡餅などをのせます。
初日の出
元旦には年神様が日の出とともに降臨されると考えられています。初日の出を拝み、一年の幸福を願います。また高い山の頂上などから拝む初日の出をご来光と言います。
羽根つき
女の子の邪気をはね(羽根)のけるという願い。羽根についた黒くて堅い玉は「むくろじ」という木の種で「無患子(子どもが患わない)」と書きます。
独楽回し
くるくると良く回るところから、お金や仕事や物事がうまく回るように…という願いが込められています。また子どもがはやく独り立ちすることを願います。
凧揚げ
男の子が無事に成長するように、また運気が上昇するようにという願いが込められています。
松の内
地方によって違いがあるようです。1月7日までとする地方や15日までとする地方があるようです。松の内に親族や仕事関係の人への新年のご挨拶を済ませます。松の内が終われば正月飾りも片付け、鏡開きをします。
年越しそば…12月31日の夜に食べるお蕎麦。意味や由来は諸説あるようです。細く長い蕎麦は長寿を表すと考えられ長寿を祈願して食べるという説や、蕎麦は切れやすい麺類なので一年の悪い縁を断ち切ってから新年を迎えるという説などです。
除夜の鐘…仏教では人には108つの煩悩があると考えられていて、108回お寺の梵鐘をついて煩悩を祓い、心穏やかに新年を迎えようとするものです。「除」という言葉には古いものを捨て、新しいものに移るという意味があるそうです。