★お砂場あそびは学びです!!★
砂を湿らせ適度な硬さにこねたり、丸めて泥団子を作ってみたり、プリンカップに詰めては型から外してみたり…。あるいは、大きな山を作り、トンネルを貫通させ、川や海を作って水を流す…。はたまた、砂の手触りを確認したり、風に吹かれて砂がさらさらと流れゆくのを眺めてみたり…。靴の中に砂がずっしりと入り込もうが、放置した鼻水に砂がついてカピカピになろうがお構いなしです。
何時間でも飽きることなく砂と戯れる子どもたち。
我が子がまだ保育園児だったころ、朝はむずがって登園を嫌がるくせに、夕方はお砂場遊びに夢中で降園を断固拒否なんてことがしばしばありました。大人の事情としてはさっさと帰宅して夕飯を作りたいんですけれども、子どもタイムはゆったりと流れているのです。
お砂場では一人の世界に浸りきって黙々と砂の芸術を楽しんでいる園児もいます。そんな子に対しては邪魔せずにそうっとしてあげるのが、見守りの作法ではないかと思います。しかし、園児の多数派はお迎えに来たママたちに遊びへの参加を求めてきます。
こんな場合は大人の事情など忘れて、短時間でも潔く子どもの遊びに付き合ってあげられるとステキですよね。でも、せっかくの遊びタイムに↓次のような残念な会話をしていませんか↓
残念な会話【ままごと・お砂場編】
子ども:ママ、見て。お好み焼き、できたでぇ。(砂で創作した平たく丸い物を差し出す)
母 親:へぇ、お好み焼き?上手に作ったねぇ。
子ども:ママ、食べてぇ。
母 親:ありがとう。パクパク。おいしいよ。(食べるふりをする)
子ども:はい、たこやき。(丸い団子状の砂を差し出す)
母 親:これも、上手やねぇ。おいしいわ。おなかいっぱい。さあ、帰ろう!
子ども:えー。まだいやや(泣)
公園でもよく見かける親子のやりとりですよね。親は忙しいし家事の段取りなどを考えながら、ついついおざなりに遊びの相手をしてしまいがち。大人がテキトーにあしらってしまうと、子どもは満たされなくて、駄々をこねたり…。そうするとなんだか親もぐったり疲れが増しますよね。私もこんなこと何度も繰り返しました。でも子育て上手な人たちを観察してみると、ちょっと様子が違うんです。子どもは遊びの中で学びの機会を得ているのです。ちょっとしたコツで子どもの遊びを本気モードへ導いてみましょう!
ヤル気を引き出す会話【ままごと・お砂場編】
子ども:おばちゃん、見てぇ。お好み焼き、できたでぇ。
おとな:わぁ、お好み焼き?ソースのええ匂いするわぁ。(鼻を突きだして嗅ぐ真似をする)
子ども:ふふふ。おばちゃん、食べてみてぇ。
おとな:何か足りないなぁ。お箸ちょうだいよ。
子ども:えっ!(きょろきょろ探して小枝を2本拾ってくる)はい、どうぞ。
おとな:(食べようとして)熱い!やけどするやん(怒)。もう、ふーふーしてーよ。
子ども:(口を突き出して息を吹きかけながら)ふーふー。
おとな:(口に頬張るふりをして)ええ味やな(うっとり)。外カリッと、中はふんわり。
子ども:おいしいやろ?
おとな:うん。ソースをたくさんかけてくれたら、うれしいなぁ。
子ども:(砂をかけながら)これくらい?
おとな:もっとたっぷり。かつお節と青のりもお願いね。
子ども:(小石をかけたり、枯葉をかけたり)これでいい?
おとな:うん最高においしいよ。ありがとう、ごちそうさま。
子ども:おかわりは?
おとな:次はデザートが欲しいな。ケーキがいいわ。クリームとイチゴたっぷりの。
子ども:ええー!ケーキはないねん。売り切れやで。お団子やったらあるよ。
おとな:ケーキないの?(泣)じゃ、お団子ちょうだい。5つね。
子ども:もう!(怒)5つは多すぎ!2つで我慢して!
なるほどー。どうやら、 相手が幼児だからといって侮ってはいけないということのようですね。大人の声のかけ方ひとつで、幼児の目の輝きは変わってくるんですね。子どもを褒めるときに「上手」という言葉はふさわしくない時があるんですね。それに、ままごとといえどもあまりに順調すぎる筋書きでは子どもが退屈してしまうということですね。
お砂場遊びは奥が深い!。
想像したり、創作したり、数を数えたり、コミュニケーションを楽しんだり、とっさに判断したり…いろんな学びがあるのですね。もちろんどんな会話を展開していくべきかは、子どもの年齢や理解力次第かもしれません。2歳児より5歳児のほうが、より高度な内容の会話を楽しめそうですね。先輩ママさんやパパさん、保育士さんを観察して私なりに分かったポイントとなる声のかけ方は…
1.褒めるときは具体的に。
2.予想外の展開を仕掛けて、考えさせる。
3.子ども扱いしないでリアルな会話を。
1.褒めるときは、具体的に。
「いいね。上手だね」で済ませてるのではなくて、どこがいいのか、どのようにいいのか言ってやるほうが子どものヤル気スイッチが入ります。五感を意識すると簡単に褒めるべきポイントが見つかります。鮮やかな黄色、甘い香り、ふわふわで柔らかい…など多様な表現を使って褒めてあげると、子どもはぐんぐん伸びますし、言葉もたくさん学んでいくような気がします。
2.予想外の展開を仕掛けて、考えさせる。
先が読めていたり、平和すぎたりすると少々退屈してしまいます。小さなハラハラ・ドキドキを感じさせるように大人が意識していくと、子どもの目はキラキラします。
3.子ども扱いしないで、リアルな会話を。
おとなは遊びの中でいつも優しく手加減してくれると察してしまうと、子どもは心も頭も体もひ弱に育つのかもしれません。いつも褒めるのではなくて、大人も要望を伝えたりわがままを言ったりしてみましょう。大人もいろんな感情を表して、時にはちょっぴり甘えたりすねたりしながら、お互いのやりとりを楽しみましょう。
さて、今回のおすすめ。
「ばばばあちゃん どろんこおそうじ」
本気で遊ぶことができる大人って素敵。子どもたちは大人が本気で遊びを楽しんでくれるのが大好きですよね。ばばばあちゃんは、子ども心を持った可愛いオトナです。
家庭での読み聞かせにも、集団での読み聞かせにも大人気の絵本。幼児向け。ゆっくり読み聞かせても5分程度。