長い物語をゆっくりと楽しもう
読みごたえのある長い物語の絵本を読み聞かせてみませんか?ゆっくりじっくりと物語を聞くことができることはとても素晴らしいことです。成長のはやい子なら未就学でもしっかりと集中しておはなしを聞くことができると思います。
人の話をきちんと集中して聞いて理解ができるようになると頼もしいです。学校の授業でも話を聞いて理解する能力はとても大事ですから。
とはいえ、子どもが落ち着きがなくて長い時間じっとしているのが苦手でも焦ることはありません。本来、子どもは落ち着きがないのが普通だと思います。
日頃から、たくさん体を使って遊んで、いっぱい親子の会話を楽しんでいればいいと思います。また、本の読み聞かせに慣れるまでは、あまりテレビなどの動画を見せないほうがよいと思います。
ほんの少し気をつけて毎日の生活習慣を整えていれば、そのうち本の読み聞かせも少しずつ慣れてきて、長いおはなしも集中して聞けるようになってくるのではないかと思います。
読み聞かせに10分~20分くらいかかるような絵本にもぜひチャレンジしてみてください。
おしゃべりなたまごやき
ある国の王様のおはなし。朝の退屈な挨拶や勉強が終わったあと、ほっとリラックスして散歩する王様。小屋で窮屈そうにしているニワトリたちがかわいそうに思えて、小屋のカギを開けてやったのです。するとギュウギュウ詰めのニワトリたちが飛び出してきて、お城の中の家来たちは大騒ぎ!「誰だ?小屋を開けた犯人をさがせ」自分がやったと言い出せない王様ですが…。
おとぼけだけど優しくて憎めない王様が引き起こす大騒動のお話。
寺村輝夫さん文、長新太さん絵。幼児~小学低学年向き。
ねずみとくじら
海辺に住んでいるネズミのユーモスは海が大好き。ある時、憧れの海へ旅するために、船を作り、食料を積んで、修理道具も積んで船旅に出かけることにしたのです。はじめは順調だった大海原での航海ですが、ある日ユーモスは船から海へ落ちてしまい…。
陸の小さな哺乳類のネズミが海の大きな哺乳類のクジラに助けてもらい友情を感じるお話。
幼児~小学低学年向き。
ほしになった りゅうのきば
ある村に子どものいないおじいさんとおばあさんが住んでいました。ある日、畑仕事をしていると山のてっぺんから大きな石が落ちてきて、ぱっと割れ、中から男の赤子が…。赤子はやがて立派な若者になって、おじいさんとおばあさんを助けて暮らしていました。
そのころ、大きな二匹の兄弟の竜が喧嘩をして暴れまわり、天に頭をぶっつけてしまいます。天は破れて、その裂け目から大雨が降ったり、冷たいひょうが石のように落ちてきたりして村人を苦しめます。そこで若者は天の裂け目を繕うために旅に出ます。
厚生省中央児童福祉審議会推薦、全国学校図書館協議会選定、日本図書館協議会選定。
小学校低学年向け。
ゆくえふめいのミルクやさん
町のミルク屋さんは毎朝早起きして、町中のお家にミルクやチーズやバターを配達しています。雨の日も風の日も雪の日も…。どのお宅の奥様もミルクを受け取るときはいつも挨拶と天気のおはなしばかり…。
ある朝、ミルク屋さんはいつものように出かけたのに、一軒も配達せずにどんどん車を走らせ町を抜けて遠くの森や牧場へ行ってしまいます。たくさんのミルクやクリームやチーズを乗せたまま車で走り続け、現実逃避してしまうのですが…。
幼児~小学低学年向け。
ことりをすきになったやま
荒れ果てた野原にポツンとたたずむ岩だらけの山。山に降るのは雨や雪だけ。山は空や雲や星をひっそりと見つめるだけ。ある日のこと、一羽の小鳥がやってきて岩山で一休み。小鳥は春になると旅をする渡り鳥。山は小鳥にここにいてくれと頼みますが、小鳥はまた来年の春に来ると約束して飛び去って行きました。毎年、小鳥がやってくるのを待ち焦がれる山。やがて山は涙を流し…。
アリス・マクラーレンさん文、エリック・カールさん絵。
小学生向けの絵本。
神の道化師
みなしごのジョバンニはいつも町の人にパンを恵んでもらい、うちの戸口で寝ていました。たった一つの特技は何でも空中に投げてお手玉のようにくるくると上手に回す大道芸ができることでした。
ジョバンニはやがて旅の芝居の一座に入り人気の道化師となるのですが、やがて年老いてまた貧しい乞食にもどってしまいます…。神様の誕生を祝う日、町のみんなは神様に捧げものをするのですが、貧しいジョバンニは何も捧げるものがなくて…。
トミー・デ・パオラさん作。中世のヨーロッパを思わせるロマネスク風の絵が美しいです。また物語も清らかです。
小学生向け。
全国学校図書館協議会選定図書、日本図書館協議会選定図書、日本子どもの本研究会選定図書。