伝え合う喜び
毎年新年にカレンダーを壁にかけるとき、家族の誕生日や記念日などの予定を子どもに書き込んでもらいます。一人っ子の我が子にとっては5月~7月はプレッシャーを感じる季節です。5月の母の日、6月の父の日に加えて、我が家では6月に父の誕生日、7月に母の誕生日があるからです。6月は父の日と誕生日を一回のイベントにして終わらせていますけれど…。
記念日や誕生日を祝ったり感謝の気持ちを伝えたりする習慣って素敵だと思います。でも家族内のことなら、華美にならずに、ほっこりと心が温まるようなささやかなイベントで十分だと考えています。
たくさんお金をかけて特別なプレゼントを買わなくてもいいし、ステキなサプライズ企画を準備する必要もないと思います。物であふれた時代だし、ハレの日のイベントがやたらとある忙しい時代だからこそ、素朴で温かいものが大切に思えてきます。
こどもが親や兄弟や祖父母に感謝の気持ちを伝えるときには、簡単な手作りのお菓子とかメッセージカードくらいがいいんじゃないかと思っています。
父の日の似顔絵
我が子は毎年、父親の似顔絵を描いて父の日(と誕生日)のプレゼントにしています。まだ上手に絵が描けなかった頃から描き続けています。メッセージを添えることもあります。
これまでの絵を並べて見ながら、過去を振り返るのは楽しいものです。成長とともに絵も上達していくのがわかって面白いです。子どもなりに父親の特徴をつかんで描いています。
海外出張も多く、単身赴任の時代もあったりで不在がちですが、父親からも行く先々から息子にエアメールを送ってくれていました。
似顔絵や手紙のやり取りは、父と子の思い出の記録となっています。この思い出が思春期以降の子どもにとっては宝物になっているんだと思います。アイデンティティーの確立や自立へ向けて、漠然とした不安やイライラに悩まされる年ごろの子どもにとって、幼いころの父との思い出は心の支えになっているに違いありません。
母へのメッセージ
私はプレゼントよりもスキンシップよりも何よりも言葉で愛情を示してもらうのが大好きなのです。それに気づいてくれているのでしょう。我が子は母の日や誕生日にはメッセージカードを贈ってくれます。おもしろいイラストを添えてくれることもありました。
もちろんお菓子やご飯を作ってくれたこともあります。花やケーキを買ってきてくれたこともあります。どんな時も必ず手書きのメッセージカードをくれました。
字が下手だったり誤字脱字があったりするのも、良き思い出になります。
子どもから母への手紙…というのはもちろん私にとって宝物です。子どもなりに親の期待に応えようとがんばってくれたんだな…とか、子どもに無理をさせすぎたんじゃないか…とかいろいろと育児を振り返って思いを巡らせています。
親子の交流の記録を残しておくと、親にとっても子にとっても心の支えになります。手紙や似顔絵や家族の写真などは、家族の苦難の時にも心を癒してくれます。心の拠り所になります。
ささやかだけれど心のこもった温かい思い出…
これからも積み重ねていきたいと思っています。