死んだあとどうなるの?
死後の世界がどうなっているのか実際のところはわかりません。宗教観や人生観は人それぞれですが、死後の世界のイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
天国や極楽浄土に行くとか、輪廻転生があるとか、あるいは何度もソウルメイトたちと魂を磨く旅をつづけるとか…。
さて、子どもは成長すると、親にも言いたくない孤独感を抱えたり、友達にも説明できない不安な気持ちを感じたりするかもしれません。自分自身を客観的に見るようになったり、孤独な自分と向き合うようになってくると、つかみどころのないモヤモヤした何かに悩まされたり、生きることや死ぬことについて漠然とした不安を抱えることもあるかもしれません。
個人差はあるでしょうが、早い子なら10歳前後からそのようなとらえどころのない気持ちを感じているのではないでしょうか?
実際に「生まれてこなければ良かった」とか「死んでしまいたい」なんて言葉を口にする子もいるでしょう。
そういう言葉は本心とは限りません。「生まれ変わってやり直したい」という気持ちの表れなのかもしれませんし、「もっと違う自分になりたい」という気持ちかなのかもしれません。
死後の世界なんてわかりません。多感な年ごろの子どもだけでなく、いい年をした大人だって、生きることに対しても死ぬことに対しても不安や恐怖を感じることがあります。
だからこそ、多くの小説で取り上げられるテーマなのかもしれません。
子どもに是非読んでもらいたい本を紹介します。
青空のむこう
交通事故で突然死んでしまった僕。やり残したことがあって死者の国をさまよう者たち…。生き返ることはできないとわかっているけれど、やり残したことをしに、死者の国を抜け出して生者の国へ。
僕が死んだ後、日常にもどっていく学校やクラスメート。僕がいなくてもいつも通りの生活が成り立っているという現実は辛く切なく…。
しかし、僕の死をいつまでも悲しみ続ける家族を見るのはもっと辛く…。
イギリスの作家アレックス・シスラーさんの名作。人気の金原瑞人さんによる翻訳。
小学高学年以上向けの児童書。
カラフル
前世で何か罪を犯したらしい僕の魂は、天使のお告げでほかの人の体を借りて再挑戦のチャンスを得るのだが…。僕はどんな罪を犯したのか覚えていないが、自殺を図った真という少年の体を借りて生きなおし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。
真という不器用な少年と、彼をとりまく家族やクラスメートに困惑する僕。真はどうして自殺をはかったのか、真にとって家族とはどんな存在だったのか、そして僕の犯した罪とは一体?
淡い恋心、自我、孤独感、母への嫌悪感、父への不信感、持て余す性欲など、思春期男子の複雑な心のひだが見事に描かれています。
真になりきって生きる僕の魂は、真が気づいていなかった人々のありのままの姿を知ることになります。人のこころの美しさも醜さも…。すべてを知ったとき僕の魂は…。
森絵都さんの不朽の名作。中学生以上向きの小説。
ツナグ
一生に一度だけ、死者との再会をかなえてくれるという「ツナグ」。
突然死した芸能人を唯一の心の支えにしていたOL、母親にガンで死なれた長男、親友に嫉妬して殺意を抱いてしまった女子高生、失踪した恋人をいつまでも待ち続ける会社員、そして死者と生者を満月の夜に会わせる「ツナグ」の役目を引き継いだ高校生男子…。
死者と残された者、それぞれが心に抱えていた想いは癒されるのか?一夜限りの再会が何をもたらすのか…?
人の心のひだを描いた感動の連作長編。辻村深月さんの傑作小説。
中学生以上向きの小説。